せつないよ
自分の体の自由がきかずに具合が悪くなっても、いつも他の人のことを気づかっていました。死期が近づいているのを知ってか「天国で見守ってるからね」というのです。
彼女の最期の姿がいまでも忘れられません。そして、私にいってくれた「本当に看護婦さんになりたくてなった人なんだね、って話してたんだよ」という言葉を胸に今もがんばってます。
(雪花/女/29歳)
ラーメン屋のおばちゃん
あ〜あ、ここの器は著名な陶芸家が作った高価な器だと書いてあるのに・・・。そんなことを思っていると、店主らしいおばさんがこう言いました。「怪我ない?やけどしてない?冷やして早く早く!」
このおばさんいい人だなって思いました。一言も彼をしかることなく、怪我の心配のみをしたのです。この店にまた来ようと思った瞬間でもありました。
(AKI/男/25歳)
気づかなかった優しさ
そのとき、口がわるくて性格があわないと思っていた二人のおばさんが、それぞれに泣いている私のところに来てなぐさめてくれた。
家に帰ると母は「そんな所やめていいよ」といい、いつもあまり話さない兄はごはんを作ってくれた。気がついていないだけで、私はなんて大きな優しさに包まれているんだろうと思った。
(さえ/女/20歳)
先生のやさしさ
その日から私は、いつも学校をやめようと思っていました。でも担任の先生の授業中に、使ったプリントが返却されてきました。するとそこには「先生はお前を信じています」という言葉が書かれていました。
わたしは休み時間に1人で泣きました。今でも先生のやさしさが忘れられません。
(ポパイ/女/23歳)
二つのデパート
ある日、東武デパートの文房具売り場に行ったとき、欲しいものが品切れだった。すると店員さんが、西武さんに聞いてみますとライバル関係のデパートへすぐに電話をかけて問い合わせてくれた。
あいにく西武デパートにも品物はなかった。店員さんはとても申し訳なさそうに何度も謝ってくれた。その店員さんはもういないが、それ以後ずっと東武デパートが私のお気に入りになっている。
(会社経営/男/56歳)
笑顔の力
会うたびに不愉快になったが、ある時から彼女が変わりだした。表情がおだやかになり、ありがとうございましたと微笑むようになったのだ。
何が彼女を変えたのかは知らない。でも笑顔の力は不思議だ。以前はこのデブ!といつも心の中でののしっていたが、今ではすっかりファンになってしまった。
(学生/21/男歳)
笑顔
密かに想いを寄せていた相手だっただけに、衝撃は大きかった。そして僕の笑顔は不自然になり、笑うことが怖くなって常にしかめっ面でうつむきがちの毎日が続いた。
そんなある日「君の笑顔は僕の元気だファイト♪」とさりげなく、本当にさりげなく、聞き逃してしまうくらいの小さな声で、誰かが某CMの曲に乗せて応援してくれた。思わず顔を上げると、バイトで来ている事務の子が顔を赤らめてうつむいていた。そして今、僕はその子と付き合っている。
(つるべぇ/男/26歳)
無言のあたたかさ
すると10年以上うえの先輩が入ってきて「俺は雑だからな、綺麗にできないんだよね。これ同じようにやれば良いんだろ。」と言って目の前に座り、黙々とその作業を手伝ってくれました。
私は泣きながらその作業を続けました。今私が仕事を続けていられるのは、あの時の優しさがあったからだと思います。ありがとうございました。
(ようこ/女/30歳)
千円の気持ち
彼は自分の財布から千円をレジに入れたそうです、もちろん返ってこないのに。「いい人すぎる」と怒る私に彼は「自分も新人の時にミスをした。きっと誰かが同じようにしてくれていたかもしれない」と言いました。
そういう彼の姿勢を素敵だなと思いました。そして自分の発言がちょっと恥ずかしかったです。
(村人/女/21歳)