- 男 性1 -

おやじ


第一志望の大学を受験する当日、前日は緊張で寝れず、朝食もほとんど食べられないまま、受験校に向かいました。電車は通勤ラッシュで、私は座れるわけもなく立っていました。

そして、寝不足、緊張、受験勉強の疲れなどで酔ってしまいました。次の駅で降りて休もうと思っても、あと10分ほどありました。頭の中は「どうしよう」の不安で一杯、体はフラフラで立っているのがやっとでした。

そんな時、前に座っていた「オヤジ」が黙って席をゆずってくれました。私は気持ち悪くてろくにお礼も言えず、次の駅で降りてトイレに駆け込みました。あのとき席を譲ってもらわなければ、私は電車の中で吐いて受験どころではなかったでしょう。「オヤジ」いや「おじさん」本当にどうもありがとう。

(えへ/女/19歳)

モドル

ありがとう、言ってくれて


私には恐ろしい癖があります。精神的に負担がかかると万引きをしてしまうのです。でも今まで見つかったことはありませんでした。

そして今日も手に持って鞄に入れようとしたとき、若い男の人が「ばれてんだよ。でもばれるもんじゃねぇぞ」と言って、持っていた財布で私の頭をポンと叩いて笑って出て行きました。私は「あぁ、やっとあたしを見つけてくれた、もうしなくっていいんだ」と思い、ヘナヘナと座り込んでしまいました。

見つかるのがとても怖かったくせに、なんだかとてもほっとしました。その人にどうしてもお礼がいいたくて必死に探しましたが、もうどこにもいませんでした。長いこと涸れていた涙が今日は止まらないのです。成績だけを重視されてきた自分でない自分。抜け出させてくれて本当にありがとう。私強く生きます。

(やさしさの精神病理/女/15歳)

モドル

もう一度会いたい


昨年の今ごろ、駅の連絡橋で油絵を売っているフランス人の男性と出会いました。私は美大への進学を両親に反対されて、医療系の専門学校に春から通うことになっており、好きな絵を描けなくなっていました。

彼は流暢な日本語で「リラックスして楽しい気分でいるとインスピレーションもわいてくるよ」と言いました。そんな彼の絵は、様々な国の様々な場所が美しく描かれていました。

「私も色んな国に行ってみたいなぁ…」と言うと「まだ18歳なんだから、これからなんでもできますよ!」と言ってくれました。もう一度彼に会いたいです…。

(美雪/女/18歳)

モドル

算数


小学3年の算数の時間、私は考え事をしていて授業を聞いていませんでした。いきなり名前が呼ばれ、先生が私を指名しました。いつの間にか教科書の練習問題を解く指示が出されていて、でも答えが分からず慌てました。

すると隣の席の子がいきなり答えが書いてある自分の教科書と何も書いていない私の教科書を取り替えてくれました。一瞬頭が麻痺したけれど、目の前に置かれたその答えを読み、何事も無く終わりました。

顔が怖いとか目つきが悪いとか言われていた男子だったけれど、本当は優しいのだとその時分かりました。私は6年生になると彼を好きになりました。今思い出してちょっとドキドキしました。

(うに/女/15歳)

モドル

雨の日のおじさん


私が中学2年生のある雨の帰り道、自転車で坂道をくだる際に、すべって転んでしまいました。その衝撃で車輪がまわらなくなり、自転車はまったく動かなくなりました。

足は痛いし、自転車は重くて運べないし、泣きそうになりながら途方にくれていました。すると一人のおじさんが声をかけてきました。最初は恐かったです…。

でもおじさんは自分の車まで自転車を運んでいって、持っていた工具で車輪が動くようにしてくれたのです。今でもその道を通ると、おじさんを思い出します。

(みほ/女/21歳)

モドル

love is action!


私は海外に住んでいるのですが、日本での1ヶ月の休暇を経て再び戻ってきました。空港から市外に到着し、私は重たい荷物を抱えてトラムに乗りました。下車駅が近づいて私が席から立つと、現地のおじさんが私に何か話しかけてきました。

聞き取れなくて「何でしょうか?」と聞き返すと、彼は何も言わずただ手で制するような身振りをしました。何だろうと思いながら、重いスーツケースを持ちトラムの階段を下りようとしたその時、おじさんは私からさっとスーツケースをうばい、地上に降ろし、再びトラムの中へ戻っていったのです。おじさんは自分の下車駅ではないのに、私を手伝うためにわざわざ降りてくれたのです。

外国人で差別もせず、無償の温かい気持ちで助けてくれたおじさんに本当に胸がいっぱいになりました。私はトラムを見上げておじさんの姿を探すと、おじさんはこちらを見てにっこりしていました。トラムが去ってしまうまで私は感謝の気持ちで見送りました。おじさん、本当にありがとう。

(ウィーンの緑/女/28歳)

モドル

雨の日


明け方の仕事帰り、外は物凄い雨が降っていたのですが、私は傘を持っていませんでした。とても疲れていて、近くで雨宿りをしながら途方にくれていました。

タクシーも全然走っておらず、人影もなくて困っていると、一台の高級車が私の前に止まりました。窓にはスモークがかかっている車だったので、ちょっと警戒しました。運転席のドアが開くと、中にはちょっと怖い感じの若い男の人が乗っていました。

そしてその人は私の足元に無言で傘を投げ、そのまま車を走らせて行ってしまいました。お礼も言えないまま私はその傘を拾い、無事に駅までたどり着けました。なんだか心が暖かくなった出来事でした。

(きょ/女/27歳)

モドル

バス亭で


バスを待っていたとき、急に雨がたくさん降ってきました。待って並んでいた人たちは少しずつ屋根のある前の方につめていき、二列くらいになって雨をさけていました。

でも私は屋根のあるところまで進めませんでした。どうしたものかなと思っていましたが、なぜか雨があたってきません。不思議に思って上を向くと傘がありました。

私の後ろに並んでいた男性が、傘を高くかかげて濡れないようにしてくれていたのです。嬉しかった雨のバス停での出来事です。

(友/女/31歳)

モドル

まさに命の恩人


私がアメリカに留学をしていた頃、友達と二人でふいに思い立ち、真夜中にテキサス横断を決めました。そして車を走らせていると、丁度ダラスからタルサ方面でいきなりエンジンが止まってしまいました。女二人きりで真夜中の2時です。街頭ひとつない暗い高速で行き交う車は少なく、途方にくれていました。

すると大型トラックが止まり、まさにクロコダイルダンディーのようななカウボーイがトラックから降りてきて、「どうしたの?」と私の車まで来てくれたのです。その後、私達を近くのガソリンスタンドまで連れていって修理屋に電話をかけてくれ、「GOOD LUCK」と一言だけいい、去っていきました。

彼が悪い人だったら、二人とも殺されていたか、どうかされていたかもしれません。彼の名前を聞く余裕がなくって、お礼の手紙もだせないのが悔やまれています。

(チニータ/女/32歳)

モドル


- 男 性1 -

男性 目次

カテゴリー
△up
戀 トップ

(c)Office Pocket