- 家 族3 -

メール友達


社会人の私は友達を作る機会がなく、メル友募集に載せて友達を探す日々。結婚願望は20歳を越えて強くなり、そして29歳の男性と出会いました。

昔から生理痛が重く、医師に「妊娠」を勧められていた私。彼は、体の弱い私をすべて受け止めてやる…そう言って結婚を約束してくれ、そして1ヶ月後に妊娠しました。しかし、彼は去ってしまいました。私は中絶と死を考えました。

そんな時、新しいメル友に出会いました。その人は中絶費用を半分出してくれ、面会時間はずっとそばにいて支えてくれました。見知らぬ男の子供を中絶したのに…。今その人は私の旦那様。今生きているのは、旦那のおかげです。

(さるびあ/女/24歳)

モドル

おばあちゃんのクリスマス


祖母が死んだ。祖母の住んでいた家を片付けていると、小さなクリスマスツリーと小さなおもちゃの飾りがいっぱい出てきた。

祖母はその小さな家でひとりで、小さなツリーを飾って息子や娘や孫の僕たちが遊びにくるのを待っていたのだ。

僕は仕事が忙しいからと祖母には全然会おうとはしていなかった。そのツリーを見つけて「おばあちゃんゴメンね、おばあちゃんゴメンね…」と僕は涙が止まらなかった。

(作家/男/30歳)

モドル

反抗期


何か聞いても「知らない」とか「うん」とか反応の少ない二女。学校での勉強もすばらしくできない。

でも私が具合を悪くして寝込んでいた時、「お母さんが寝てるんだから静かにして!」と姉と弟に言っていたのが聞こえた。私に気づかれないように、何度も何度も様子を見に来てくれた(気づいていたけれど知らない振りをしていました)。

勉強はできないけれど、人としての心はちゃんと伸びてるのかなと思えて嬉しかった。ありがとう。

(うさこ/女/39歳)

モドル

おしゃべり


母はおしゃべり好きだ。婦人会の仕事で集金などに行ったときも、1軒で30分ほど話し込んでくる。迷惑をかけているんじゃないかと、ちょっと心配していた。

ところがある時、母が集金に行っていたお宅の息子さんが「亡くなった母が大変お世話になりました。」と挨拶にこられた。以前は同居されていたが、嫁と姑の仲があまりよくなかったのか、別居されて高齢のお母さんはひとり暮らしだった。

「母からよく聞いていました。〇〇さんはいつも私の話を聞いてくださると、とても喜んで話していました。」お母さん、おしゃべりも役に立ってよかったね。

(non/女/39歳)

モドル

20枚の百円玉


私はお金に困っている時がありました。誰にも相談できずにいましたが、どうしようもできなくなり、泣きながらお兄ちゃんに話をしました。

お兄ちゃんは無職で全然お金を持っていなかったので、私は借りる気は全くありませんでした。ただ話を聞いてもらいたかったのです。話し終わるとお兄ちゃんは隣の部屋から何かを持ってきて、私に差し出しました。

受け取ると20枚の百円玉でした。そして「これで何日かは大丈夫でしょ」と言ってくれた。それから「俺がなんとかしてあげる」と仕事を始めてくれました。お兄ちゃん、ありがと。

(黒猫/女/22歳)

モドル


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